内容紹介
東京大学在学中の1955年から57年にかけて執筆された、四つの小説「暗い部屋からの旅行」「火山」「黒いトラック」「旅への試み」。このうち、「暗い部屋からの旅行」「旅への試み」は昨年11月、大江が大学時代の下宿先で保管されていた、原稿用紙に書かれていた。一般的な文壇デビュー作とされる「奇妙な仕事」に先立つこれらの作品は、大江の生来の才能と、その後の作家的な発展への示唆に富むものだ。大江文学研究史としての価値はもちろん、若き魂が生み出した輝かしい原石のような小説を、ぜひとも味わってほしい。